三島風穴

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火山洞窟学会
「三島風穴」緊急調査 2010年2月6日
火山洞窟学会員(東京・埼玉・神奈川・山梨・静岡)・東大火山学者
三島溶岩流には、上流から順番に
・大野第二風穴・・・裾野市天然記念物指定 昭和46年8月31日
・駒門風穴・・・御殿場市 国の天然記念物
・岩波風穴・・・裾野市天然記念物指定 昭和52年5月2日
その他幾つかの地元の自治会や行政で保護されている火山洞穴があります。
 
なぜ、三島風穴が貴重なのでしょうか・・・

富士山北側の青木ヶ原溶岩流の樹海にある熔岩洞は1000年程度しか経っていないため、熔岩がまだ充分に風化していませんので、珪酸(SiO2)の成分が、溶出してこないため、二次生成物(つらら石や、カーテン、リムプールなど)は殆ど観察されません。

三島溶岩流は古い溶岩流で貴重ですが、大野第二風穴、駒門風穴、岩波風穴、裾野第二風穴では、三島風穴の様な豊富な二次生成物は観察されません。
三島溶岩流の他の風穴(熔岩洞)と比較しても三島風穴は大変貴重な存在です。

三島溶岩流の末端にある三島風穴は、洞口が陥没して開口していないため、最も保存状態の良い貴重な地形と珪酸鍾乳・珪酸華など二次生成物が観察できる三島市と静岡県の財産です。
加えて、コウモリグアノ(排泄物)が深さ20cm以上の堆積が緊急調査により確認されました。真洞窟性動物の発見の高い三島溶岩流の洞内ですので生物調査の必要性もあります。

さいわい企業の工場敷地から三島市の管理となりましたので、保護啓蒙のあり方について充分な調査検討が必要です。市民や県民が後から恥をかかないための調査や論議が望まれます。
そもそも人間が1000年以上構造物を修繕無しに持ち堪える技術も無いのです。それが洞内へのいかなる影響があるかも調べないで1万年の火山洞窟に拙速に手を加えようとしているのです。

・三島風穴につきまして三島市は本格的学術調査を行わず、 三島教育委員会は市指定遺跡にすら申請に動く気配は無く、三島市議会も昨年11月埋め立て工事の予算を通し、全国火山洞窟リストにもある風穴を事前学術調査しないまま埋め立てた事例は私は知りません。工事推進派は一部の埋め立てと軽々に発言しますが、その一部コンクリート埋め立てが風穴全体を取り返しのつかない状態にしてしまうことを考えてもいない。他に類例の無い貴重な二次生成物の調査かつ保存を三島市はどのように考えているのか?真に問いたい。
また、三島長陵高校の前の桜の老木もどうするのか?見守っています。桜は三島市シンボルの木ですから・・・


【参考サイト】
富士山南麓の溶岩トンネル
http://www.geocities.jp/takuji0781/fujisannanokunoyougantonneru.htm
裾野市 文化財及び史跡の状況(平成14年12月31日現在)
http://www.city.susono.shizuoka.jp/ma/download/1222/17bunnkazai.pdf#search=
大野第二風穴(裾野市天然記念物指定 昭和46年8月31日)
http://61.211.193.132/ma/download/1-3-2.pdf#search=
岩波風穴(裾野市天然記念物指定 昭和52年5月2日)
http://navy.ap.teacup.com/husitan/117.html
裾野市の環境基本計画のサイト
http://www.city.susono.shizuoka.jp/ma/download/kannkyoukihonnkeikakugaiyobann.pdf

編集:木崎 裕久氏(東京スペレオクラブ)長谷川 謙1部加筆
火山洞窟学会・立原会長 大島先生

【三島議会に提出された埋め立てを主訴する1企業の調査資料】・・・三島市議会資料一部抜粋
平成21年8月28日に実施した今年度の内部調査において、洞窟頂部に以下の写真(割愛)で見られるような大きく開口した割れ目が確認され、前回調査で安全と考えられていた三島風穴の南側付近(入口付近)においても危険な状態が確認された。さらに、これより北側の道路近接部分は、落盤が激しく、人が立ち入れない状況であり、今回も内部調査が困難であった。

私は三島駅北都市計画事業事前説明会におきまして三島風穴保存に関します質疑を申し立てた者です。
当該質問に対します地元住民に対する三島市からの回答は残念ながら全くありませんでした。

三島風穴埋め立てのSOSに呼応していただきました火山洞窟学会のご協力により「2010年2月6日緊急調査」が実施され、洞内の貴重な自然遺跡が1万年前の基本構造を維持しており、落石だらけでは無く立派に洞内が堅持されていることが確認されました。むしろ人工物の比ではなく、現に崩壊の無い空間部は写真のごとく広く分布しており、崩壊の危機を調査報告する根拠と内容が知りたいところです。

ただし、道路運行上の安全につきましては反対しておりませんが、自然保護と都市計画の両立を前提とする熟議を提唱するものであり、洞内の調査(奥部は未調査)が1企業の埋め立て工事ありきとして行われた調査報告と明らかに異なる洞内を直視して、議会提出調査報告の信憑性と方向性に強い疑問を禁じえませんでした。

三島溶岩流南端部に形成された太古の歴史を刻む古い火山洞窟であり、洞内各所に珍しい地下鉱石や真洞窟生物などの本格的調査の行われていません。唯一残る古い三島風穴は「県指定遺跡とされてもおかしくない縄文時代の第1級天然記念物であり今後学術調査を行うことが急がれる」と参加者の感想でした。

埋め立て工事を前提とする1企業が調査し「人が立ち入れない状況」と報告された北西側洞内と北東側洞内を全員が難なく踏破し、そこに現れた洞内の様子は、周囲の林立した最新のビルが朽ち果てるであろう1000年後も三島風穴は存続し続けるであろうと大自然造形物の底力が体感されるものでした。

以下に火山洞窟学会の泥だらけで笑みを浮かべる隊員の写真・洞窟をこよなく愛するメンバー達の写真・太古の息吹を残す洞内写真・洞内地下鉱物や生物の痕跡写真などを火山洞窟学会並びに東京スペレオクラブのご協力によりましてWeb上はじめて提供いたすことができました。・・・ご照覧いただければ幸いです。
三島風穴内写真・・・(今後も風穴内写真増補予定) 2010年2月6日調査スタッフ撮影
↑何時搬入されたか?外部からの搬入放置の土石類 ↑ 天井に開けられた新たなボーリング跡
人が入れないとされた北西側洞内の両先生 ↑ 厳然と残る太古の息吹
↑ 立入り不能とされていた西側洞内の入口 ↑ 西側洞内に残る多くの自然遺産
↑ 溶岩鍾乳 ↑ 北側洞内観察
↑ 早稲田支洞 ↑ 北側洞内最奥部

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